【質問】 揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」について教えてください.

 【質問 kérdés】
 揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」について教えてください.
Kérem, mondja meg a partraszálló hajó Tsaezar Kunikov-ról.

 【回答 válasz】
 ツェーザリ・クニコフ Tsaezar Kunikov Цезарь Куниковはプロジェクト775大型揚陸艦,すなわちロプーチャ型揚陸艦の23番艦.

 「BDK-64」の名前でグダニスク造船所(ポーランド)にて建造.
 1986年9月30日,(海軍の)編制へ加入.
 黒海艦隊,第30水上師団第197揚陸旅団(セヴァストーポリ)所属.

 1988年,ゼレノグラード市 Зеленограда が同艦をスポンサード.

 1989年5月,「ツェーザリ・クニコフ」に改名.

 1999年6月,コソヴォ紛争において,黒海艦隊の他の揚陸艦3隻とともに,コソボ治安維持部隊(KFOR)に参加するロシア空挺軍部隊を,ロシアのタウプセ港からギリシャ・テッサロニキ港に移送.

 2003年,露印合同演習INDRA-2003参加.

 2004年,黒海の国際海軍演習BLACKSEAFORに参加.

 2005年,黒海の国際海軍演習BLACKSEAFORに参加.

 2007年3月26日.57mm砲の搭載試験中に暴発が発生.
 砲弾は,セヴァストポリ近くの居住地域Sakharnaya Golovkaまで飛び,空中で爆発.
 幸いなことに死傷者は無し.

 2008年頃はノヴォロシースク基地を拠点としていた模様.

 2008年8月,南オセチア紛争に出動.
 8月9~10日,アブハジア沖海戦.
 「クニコフ」など揚陸艦2隻,護衛のコルベット4隻で構成される黒海艦隊のタスクフォースが,アブハジアの首都スフミへグルジア軍侵攻阻止とアブハジア防衛のために空挺軍部隊の輸送を行っていたところ,アブハジア沖にてグルジア海軍の艦艇5隻と二度会敵.
 揚陸艦2隻は戦闘に加わらなかったが,コルベットはグルジア艦艇と交戦.
 結果,グルジア海軍の1隻の哨戒艇が撃沈され,1隻の哨戒艇が損傷した.

 2010年4月,黒海の国際海軍演習BLACKSEAFORに参加.

 2011年,チェリャビンスク地方 Челябинской области も「クニコフ」のスポンサーに.

 2012年7月初め,シリア内戦に際し,「シリア在住のロシア人保護」の名目で,空挺軍部隊を載せてシリアへ.
 アサド政権への軍需物資輸送も行ったと見られている.
 同年7月28日,セヴァストーポリへ帰投.

 2012年8月,合同演習参加.

 2014年11月24日,
「2013年3月にセヴァストーポリを去り,ブルガリアで修理を行なう」
と『中央海軍ポータル』が報じる.

 しかしその後プーチン大統領が,外国の造船所でのロシア海軍艦船の修理を原則として認めない事を決定した為,ブルガリアへの回航は凍結.

 その後,ロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージンが同意すれば,例外的に外国の造船所へロシア海軍艦船の修理を発注する事が可能に.
 そしてロゴージン副首相は「ツェーザリ・クニコフ」のブルガリアでの修理を認めたので,同国への回航が可能に.
 この決定には,ブルガリアの旧ソヴィエト社会主義共和国連邦に対する債務の勘定で実施されるということが大きく影響したと思われる.

 2013年7月6日,ブルガリアのヴァルナに到着し,修理開始.
 プロジェクト775型はポーランドで建造されたが故に,一部の機器やZIP(交換用部品,工具,消耗品と資材)は同国から届けられた.

 2014年11月24日,
「修理は完了し,間もなくセヴァストーポリへ曳航される」
と,黒海艦隊広報サービス部長ヴャチェスラフ・トルハチェフ1等海佐は発表.

 2015年4月,「 ニコライ・フィルチェンコフ 」と共に海軍歩兵の演習を実施.
 5月5日~5月8日,イスタンブールを訪れ,国際武器展IDEF-2015に「展示」.

 同年10月,シリア政府軍向けの弾薬と武器を輸送.
 後に「シリア・エクスプレス」と呼ばれることになる,ボスポラス海峡を南下し,黒海沿岸(ノヴォロシースク或いはセヴァストーポリ)からシリアのタルトゥースへ貨物や人員などを輸送する任務に,同艦が従事するのはこれが最初と見られる.

(図表番号faq191103SE,こちらより引用)

 2015年11月17日,ボスポラス海峡を南下.

 2015年12月4日,ボスポラス海峡を南下.
 このとき,乗員の一人が対空ミサイルを構えて警戒している様子が撮影されている.

 2017年には,計9回の「シリア・エクスプレス」へ従事した事が確認されている.
・1月26日にボスポラス海峡を南下,2月3日に同海峡を北上して黒海へ帰還.
・2月18日にボスポラス海峡を南下,2月27日に同海峡を北上
・4月16日にボスポラス海峡を南下,4月28日に北上
・5月6日にボスポラス海峡を南下,5月15日に北上
・5月22日にボスポラス海峡を南下,6月2日に北上
・7月10日にボスポラス海峡を南下,7月22日に北上
・9月20日にボスポラス海峡を南下,9月29日に北上
・10月14日にボスポラス海峡を南下,10月29日に北上
・12月27日にボスポラス海峡を南下,翌2018年1月9日にボスポラス海峡を北上

 その間,2017.3.21にはクリミア半島での強襲揚陸演習に参加.

 2018年には計6回の「シリア・エクスプレス」に従事.
・1月17日,黒海艦隊補助部隊の貨物船「ドヴィンツィヤ-50」と共にボスポラス海峡を南下,2月3日に同海峡を北上.

(図表番号faq191103dv,こちらより引用)

・2月22日にボスポラス海峡を南下,3月12日に同海峡を北上.
・3月15日にボスポラス海峡を南下,3月25日に同海峡を北上.
・5月2日にボスポラス海峡を南下,5月11日に同海峡を北上.
・5月19日にボスポラス海峡を南下,5月29日に同海峡を北上.
・8月6日にボスポラス海峡を南下,9月12日に同海峡を北上.

 2019年2月6日,ボスポラス海峡を南下,2月20日に同海峡を北上

 2019年4月18日,演習より基地に帰投後,Cape Chersonese通過時に操舵制御システムに不具合発生.
 修理を受ける.

 2019年6月13日,ボスポラス海峡を南下.

 2019年7月,セヴァストーポリでの海軍記念日の観艦式に参加.

 2019年10月2日まで,黒海において演習実施.
 特に,未整備の海岸において装備を搭載する訓練も行われたという.

 【参考ページ Referencia Oldal】
https://ru.m.wikipedia.org/wiki/Цезарь_Куников_(большой_десантный_корабль)

(1枚目:図表番号faq191103kn2,こちらより引用)
(2枚目:図表番号faq191103kn,こちらより引用)


  • 最終更新:2019-11-03 17:58:13

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