【質問】 偵察艦「ユーリー・イワノフ」について教えてください.

 【質問 kérdés】
 偵察艦「ユーリー・イワノフ」について教えてください.
Kérem, mondja meg a felderítő hajó "Yuriy Ivanov"-ról.

 【回答 válasz】}
 ロシア海軍には,海洋での情報収集を任務とする,「偵察艦」と呼ばれる艦が存在します.
(西側では「情報収集艦」と呼ばれている)
[[[ロシア黒海艦隊の偵察艦は地中海へ派遣される]:http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-156.html]]

 現用のロシア海軍偵察艦は,ソ連邦時代に建造されたものです.

 そして現在,新型の偵察艦「ユーリー・イワノフ」の建造が進められています.

 「ユーリー・イワノフ」は,2004年12月27日にサンクトペテルブルク市の「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」で起工されました.

 「ユーリー・イワノフ」は,2013年末に就役予定です.
 就役後は,太平洋艦隊への配備が計画されて&color(#33CCFF){いましたが,その後計画変更されて北方艦隊へ.}

<プロジェクト18280大型偵察艦>
満載排水量:2500t(?)
全長:95m
幅:16m
吃水:4m
機関:5DRAディーゼル(2700馬力)×2基
兵装:AK-630M 30mmガトリング砲×1基
乗員:120名

 現在,太平洋艦隊には4隻の偵察艦が在籍しています.

プロジェクト864大型偵察艦:「カレリア」(1986年就役),「クリリィ」(1987年就役)
プロジェクト1826大型偵察艦:「プリバルチカ」(1987年就役)
プロジェクト10221水中情況解明艦:「カムチャツカ」(1986年就役)

青文字:加筆改修部分

▼ この艦は電波による通信及び海軍戦力管理の保障-電波偵察及び電子戦を行うためのものであり,高レベルの自動化とインテグラルシステム及び複合体を備えていると発表されている.
 主としてアラスカとハワイに在るアメリカのミサイル防衛コンポーネントの監視を行うため,レーダー,兵器複合体及び通信システムからの信号の探知,傍受,分析を可能とする電波電子偵察用の特殊装置を有している.
 複合体はマルチスペクトル情報複合体であり,異なる発信源と異なる範囲の多数の信号を追跡する事が可能,かつ,信号の発信源を特定するのみならず,その性質と素性を分析できるという.

 「ユーリー・イワノフ」の艦名は,ソ連海軍中将ユーリー・ワシーリエヴィチ・イワノフ(1920年2月-1990年9月)の名に因む.
 彼は1960~70年代にソヴィエト連邦海軍の偵察部隊を率い,
海軍偵察部長(1965年7月-1975年7月),
諜報管理部長-海軍総参謀長代理・偵察担当(1975年7月-1979年1月)
を務め,海軍の現用の常設偵察コンポーネントの創造と発展に多大な貢献を成した人物.

 設計はサンクトペテルブルクの『アイスベルク』中央設計局.
 2013年6月13日,作業場を出渠.
 同艦は「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」の造船台で主要な船の組立複合作業を実施.
 進水及び建造完了と航行の為の安全を保障する為の機器装置及びシステムの大部分を設置した.

 2012年に進水する計画だったが,資金供給の不足及び下請け業者の機器納入時期の遅延により延期.
 同艦は,公開株式会社「コロメンスキー・ザヴォード」が開発した2基のディーゼルエンジン11D42から成る動力装置5DRAを有するが,その納入の予定は2012年夏だったにもかかわらず,実際に納入されたのは2013.3.29で,しかも届いたのは1基だけだったという.
 「コロメンスキー・ザヴォード」側は『イズベスチヤ』に対し,サンクトペテルブルクの下請け業者が3月に双方のエンジンのギアボックスしか納入しなかったせいだと説明しており,「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」へは違約金を払ったという.

 2013年9月30日,進水.
 進水行事には,
海軍総参謀長アレクサンドル・タタリノフ大将
統合造船業営団副総裁,
「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」総取締役アレクサンドル・ウシャコーフ
その他の公人,賓客が参加.

 その後,「セーヴェルナヤ・ヴェルフィ」岸壁で艤装工事.
 2014年11月27日,工事完了し,最初の航海試験へ出発.


 2014年12月末,ロシア海軍へ納入.

 2015年7月26日の「ロシア海軍の日」(7月の最終日曜日),バルト艦隊基地バルチースクでの海軍記念日観艦式へ参加し,その最中に聖アンドレイ旗の初掲揚式典を開催し,正式にロシア海軍へ就役.
 北方艦隊へ編入された.

 就役後も暫くバルチースクに留まっていたが,2015年11月中旬,常駐基地セヴェロモルスクへ回航.
 ロシア連邦国防省によると,同艦は艦長アンドレイ・ノヴィツキー3等海佐の下,回航中に1900海里以上を航行し,数十回の艦内演習へ取り組み,様々な種類の訓練-艦のダメージコントロール,乗組員の組織的な日常活動などを行なったという.

 2018年4月,セヴェロモルスクに停泊中の姿が見られた.

 その後,大西洋及び地中海への遠距離航海へ出発した模様.

 2018年9月以降は,バルト海に居た模様.
 クロンシュタットにて撮影されている.

 2019年1月中旬には,バルト海で中型海洋給油船「アカデミック・パシン」の航行試験に協力.

 その後バルト海を離れ,2月5日にセヴェロモルスクへ帰投.
 埠頭では,乗組員歓迎式典を開催.
 恒久駐留地点へ戻り,与えられた任務を成功裏に遂行した船員を,北方艦隊参謀長ウラジーミル・グリシェチキン中将が祝福した.
 彼は,艦は,この数ヶ月間に大西洋及び地中海で自信を持って行動し,18000海里以上を走破した事を指摘した.
 また,大祖国戦争時代に北方艦隊で始まった伝統により,艦長へ子豚の丸焼きが贈られた.▲

▼[プロジェクト18280の性能要目] ※進水時の発表
満載排水量-約4000トン
全長-約95メートル
幅-約16メートル
航続距離-少なくとも8000海里
主要動力装置-2基のディーゼル減速装置集合体(2720馬力),2軸
兵装-4基の14.5mm海洋タンブラー機関銃装置,携帯高射ミサイル複合体「イグラ」タイプ
航海機器,特殊機器,電子機器,広範囲の任務を遂行する用途の水中音響装置
乗組員-約120名▲

 【参考ページ Referencia Oldal】
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-750.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1102.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1883.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-1978.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-2363.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-2557.html
http://rybachii.blog84.fc2.com/blog-entry-4574.html

mixi, 2019.10.13

  • 最終更新:2019-10-13 18:40:21

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